【腰痛】治療例
治療の効果を知って頂きたいので、症例の一部を掲載しています。
症例5(ぎっくり腰:座って靴下を履くときに痛い)
患者
30代 男性 豊川市
来院
2016年6月
症状
腰痛(ぎっくり腰)。物を取ろうとしゃがんだ時に腰の真ん中付近に激痛が走った。整体を二か所行ってみたが効果がなかった。鍼はどうかと思って来院された。10年以上前にL4-5ヘルニアの診断を受けたことがある。痛くて靴下を履くのが辛いと言っていた。痛む場所は腰の中心から右の臀部。
治療と経過
靴下を履こうと背中を丸めた(猫背になる)時に腰が痛いと言っていたので、胸椎の調整を行うつもりでいたが、診察をするとむしろ後屈(後ろに反る動作で痛みが強く出た。靴下を履く動作をしてもらったが前屈時というよりは戻る時に痛みが強いようである。足のツボで下部胸椎と下部腰椎の調整をすると痛みがスッと取れた感じがした。その後活法整体で仕上げた。二回目のときは症状もだいぶ楽になっていたが同様の治療を行った。三回目で痛みはほぼ無くなった。
同時に治療した症状
なし
主な治療穴(ツボ)と活法整体
豊隆、玉天、腰痛3手
まとめ
患者の痛みの感覚と実際の検査結果がずれることは良くある。患者の言うことをしっかり聞くことはもちろん大事だが、それをそのまま鵜呑みにして治療をしてしまうとうまくいかないこともある。この患者は一年に一回くらいはぎっくり腰になっているようである。運動不足、体重過多を指摘しておいた。
症例4(ぎっくり腰:背中を丸めた(猫背になる)時に腰が痛い)
患者
40代 男性 豊川市
来院
2016年6月
症状
腰痛。前日の仕事で重たい物を持った時に右の腰が「ビシッ」と音がしたような気がした。イスに深く腰掛けて背中を丸めると右の腰と尾骨の上辺りが痛くて立ち上がることが辛い。背筋を伸ばすと少し楽になる。仰向けからは痛くて起き上がれない。体を反らす動きでは痛みは感じないが前屈みで痛みが出る。軽いぎっくり腰だが歩行は可能。臀部の張りも感じる。来院日も仕事で物を運ぶので何とかしてほしいと来院された。
治療と経過
背中を丸めた(猫背になる)時に腰が痛いということで胸椎に注目した。触診すると下部胸椎に硬結があったので足のツボで調整すると痛みが半減した。この時点ではまだ仰向けからは痛くて起き上がれなかった。さらに足のツボで下部腰椎を調整したところ、痛みはゼロにはならなかったが仰向けから起き上がれるようになった。その日の仕事も休めないという事だったので「常に背筋を伸ばすことを心掛けるように」と伝えておいた。二回目の治療で来院した時に悪化していなかったので、初回治療後の仕事はなんとか乗り切ったようだ。
同時に治療した症状
なし
主な治療穴(ツボ)と活法整体
地機、元瑠、膝裏の硬縮取り、梨状筋の導引
まとめ
この患者も症例1の患者同様、胸椎付近に異常があり、これが大きく影響していたと考えられる。以上の場所が違うため治療穴(ツボ)は異なるが、胸椎の動きと腰や骨盤の動きとの関係に着目する点では同じである。何回か「ぎっくり腰」の経験がある方で、腰も張っているという事なので定期メンテナンスをすることが大事である。
症例3(腰痛:座っていて立ち上がる時に痛い)
患者
50代 男性 豊川市
来院
2015年12月
症状
腰痛。二週間くらい前に急に腰が痛くなった。特に何かした覚えはない。左の腰が特に痛く、臀部に張りも感じる。イスに座っている状態から立ち上がる時に痛みが増す。腰を右に回旋する(ひねる)ときにも左腰部に痛みが出る。2回整体に通ったが変化を感じられなかったので通うのをやめた。他の患者さんの紹介で当院に来院した。
治療と経過
イスに座っている状態から立ち上がる時に痛みが増すという事だったので、立ち上がる時に負荷がかかる大腿四頭筋と膝回りを緩める施術をしたところ、イスからの立ち上がりがだいぶ楽になり、腰の回旋時の痛みはほぼ無くなった。梨状筋を緩める施術を加え、さらに手のツボを使って胸椎を調整して一回目の治療を終了した。
同時に治療した症状
なし
主な治療穴(ツボ)と活法整体
後谿、曲泉、腰腿点、梨状筋の導引、膝の空気抜き
まとめ
経験上、腰の回旋時の痛みは大腿四頭筋の緊張を取るとかなりの確率で和らぐ。この患者も大腿前面の緊張が強かったので、これが大きく影響していたと考えられる。大腿四頭筋と腰や骨盤の動きには深いつながりがあるので見落とさないようにしなければいけない。ただ、四頭筋の緊張は一回の施術で完全に緩むわけではないので数回通って治療を受けることが望ましい。
症例2(腰痛:反り腰、普通に立っていて腰が痛い)
患者
30代 女性 豊川市
来院
2015年9月
症状
腰痛。一年くらいまえから腰に疲れがたまりやすくなってきた。二ヶ月くらい前から段々ひどくなってきて、今は普通に立っているだけでも腰が痛くなってきた。仕事をしているときが辛いので何とかしてほしいと来院された。
治療と経過
鍼は抵抗があるということだったので整体だけで対応した。診察で骨盤の前傾が強く、反り腰になっていると判断した。大腿四頭筋、腸腰筋、脊柱起立筋に張りと圧痛あり。そこを主に緩めながら骨盤の調整をしたところ、立っているときの痛みがかなり改善され、脚が軽くなったと言って喜んでいた。週一回のペースで来院して5回目くらいの時には、仕事中の腰の痛みも気にならなくなった。
同時に治療した症状
骨盤矯正
主に使用した活法整体
骨盤回し、大腰筋の導引、膝の空気抜き
まとめ
この患者は初めから骨盤矯正をやってほしいと言って来院された。自分で骨盤の歪みが腰痛の原因だと判断して来られた。辛い思いをしていたので一所懸命調べたようで、それなりに正しい自己判断をしていた。大腿四頭筋、腸腰筋が腰に及ぼす影響は大きいので、そこの筋を中心に日頃のメンテナンスが必要である。
症例1(腰痛:中腰の体勢で腰からお尻にかけて広い範囲で痛い)
患者
70代 男性 豊川市
来院
2015年2月
症状
腰痛。1年くらい前に腰痛になり、ずっと続いている。ピンポイントではなくお尻にかけて広い範囲で痛い。腰痛になった時の状況は覚えていない。1年間整体に通い、整形外科で痛み止めの注射をしてもらっていた。ヘルニアや脊柱管狭窄症の診断は受けていない。骨密度は正常。しかし徐々に注射が効かなくなってきて歩くことが辛くなり自転車で移動するようになった。普通に自転車に乗っているときに腰は痛くないが振動が腰に響くと痛い。畑仕事で屈んでいると起き上がる時に痛くて辛い。友人に鍼はどうかと勧められて当院に来院した。
治療と経過
検査したところ前屈して起き上がる時(中腰の時)に最も痛い。触診したところ腰椎よりも胸椎に硬結の異常が診られたので足のツボに鍼をして胸椎を調整すると中腰の姿勢での痛みが無くなった。この時点で、広い範囲だった痛みが狭まり腸骨稜付近と大腸兪付近に絞られた。再度足のツボで腸骨稜付近を調節して、加えて局所に鍼をして一回目の治療を終了した。一週間後に再度来院されたが痛みは再発していない。整形外科での注射もやめた。ただ、足の重だるさが残るという事なので、骨盤と股関節の調整に治療を切り替えて治療を継続。
同時に治療した症状
なし
主な治療穴(ツボ)と活法整体
玖路、殷門、L4(2)
まとめ
中腰で無理な力が加わったりして胸椎に負担がかかって腰が痛くなる例はよくある。この患者も胸椎の緊張が大きく影響していたと考えられる。胸椎の動きと腰や骨盤の動きには深いつながりがあるため、腰痛患者を診るときは必ず胸椎をチェックすることが大事である。
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、あくまでも当院の治療例であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。