生活習慣と不眠症
ここ数日、睡眠をしっかり取れていなくて、体調がいま一つ・・・。睡眠の大切さを感じさせられます。
そこで、今日は睡眠について。
慢性的な睡眠不足になると、仕事の効率が下がるだけでなく体調も次第に悪くなります。また、美容に悪影響を及ぼすことは言うまでもありません。症状が進行してしまう前に治療や予防をしておくことが望ましいですね。
- 不眠症とは
現代はストレス社会。不眠症で悩む人も大変増えています。
ところで、そもそも不眠症って、どのような症状かご存じですか?
目覚めた時のだるさ、辛さ、不快感。
実は、不眠症とは、睡眠時間の長さ・短さとは関係ありません。睡眠時間が短くても、朝の目覚めが元気なら、それは不眠症ではありません。
不眠症を克服するためには、睡眠時間をたっぷりとることではなく、いかに睡眠の質を高めるかが大切なのです。
- 不眠症の原因
不眠症は、自律神経の乱れにより生じます。自律神経が乱れているために、夜になっても交感神経の働きが強く、副交感神経の働きが弱いため、途中で目覚めたり早く目覚めたりしてしまうのです。
- 不眠症の改善
薬の投与には依存性があります。一時的には良いかと思いますが長期間の使用はお勧め出来ません。ここで登場するのが鍼灸治療です。鍼灸治療は自律神経を整え、全身の緊張をほぐし、心身をリラックスさせる大きな効果があります。特に慢性的な不眠症の症状には大きな効果を発揮すると言われています。
ここで、治療に行く前に自分で気を付けることができる快眠習慣をいくつかご紹介します。
1.快眠はまずは規則正しい生活から
どんなに健康的に運動をしても、バランスの良い食事を心がけても、布団に入る時刻が毎日ばらばらであれば、快眠は得られにくくなってしまいます。 体の中には体内時計があり、睡眠のタイミングに合わせて前もってホルモンの分泌や生理的
な活動を調節し、睡眠に備えます。これらの準備は自分の意志ではコントロールできません。規則正しい生活こそが体内時計を整えて睡眠を円滑に行う秘訣なのです。
2.運動習慣と快眠
運動習慣がある人には不眠が少ないことがわかっています。睡眠の維持には習慣的な運動の効果があるようです。運動の内容も睡眠に影響します。1回の運動だけでは効果が弱く、習慣的に続けることが重要です。ただし、激しい運動は逆に睡眠を妨げますので負担が少なく長続きするような有酸素運動(早足の散歩や軽いランニングなど)が良いでしょう。就寝直前の運動も体を興奮させてしまうので禁物です。
3.入浴と快眠(入浴の時間がポイント)
入浴の睡眠への効果は加温効果にあります。就寝前に体温を一時的に上げてあげることがポイントです。当然ながらタイミングも重要になります。深い睡眠をとるには就寝直前の入浴が良いとも言われますが、寝付きを悪くしてしまう心配があります。寝付きを優先させるのであれば、就寝の2~3時間前の入浴が理想です。
ぬるめのお湯で25-30分、また半身浴で汗をかく程度がいいと言われていますが、自分の体調や好みにあった入浴を選択すればいいでしょう。
4.光と快眠(光で体内時計を整える)
光の効果は体内時計を24時間に調節することにあります。起床直後の光が最も効果的ですので、起きたらまずカーテンを開けて自然の光を部屋の中に取り込むことが必要でしょう。禁物なのは夜の光です。朝の光と反対で夜の光は体内時計を狂わせます。家庭の照明でも長時間浴びるとよくありません。赤っぽい暖色系の蛍光灯が理想と言えます。もちろん電気をつけたままでの睡眠はよくありません。
5.食事、飲酒、喫煙習慣と睡眠
就寝に近い時間の夕食や夜食は、消化活動が睡眠を妨げるので出来るだけ控えましょう。体内時計を整えるためにも規則正しい食事が望まれます。
コーヒー・緑茶・チョコレートなどカフェインが含まれる飲食物は覚醒作用があります。敏感な人は就寝の5~6時間前から控えた方よいでしょう。就寝前の喫煙もニコチンが刺激剤として作用するので好ましくありません。睡眠薬がわりに飲用されることの多いアルコールも決して勧められません。アルコールは寝付きをよくしますが、睡眠の質が悪くなります。
6.その他の習慣と睡眠
昼寝は午後の眠気を解消し活力を与えてくれます。15分程度の長さで十分です。
最後に生活習慣病が不眠の原因になることが分かっています。生活習慣病を防ぐためにも快眠を得るためにも、良い生活習慣を身につけましょう。
たくさん書きましたが、普段から少しずつ気をつけていきましょう。
自律神経
検査をしても原因のわからないさまざまな症状は、自律神経が関係していることがあります。
我慢せずに当院にご相談ください。